無名音ゲーを有名YouTuberに布教したい‼
※この記事は「音ゲー自由研究コンテスト(第6回三田さん杯)」応募作品です。そのことを前提とした表現が含まれます。
チャンネル登録者数15万人を突破された、音ゲー系YouTuberの三田皓介さん。殆どの動画が万単位で再生され、視聴者層も音ゲー初心者から上級者まで幅広いです。彼の動画がきっかけで音ゲーを始めたり、新しい音ゲーに手を出してみる方も多いことでしょう。まさに、音ゲー界のトップインフルエンサーです。
そこで、私は閃きました。
"あのマイナー音ゲー"もこの方に布教して、ハマっていただければ有名になりうるのではないかと。
せっかくの三田さんに直接文章を届けられる機会です。皆様が音ゲーに関する面白く個性的な研究をされているであろう中、私はただの音ゲー紹介記事で参加します。「なぜ、自分はこのゲームを面白いと思うのか?」ということを分析して書いたから、これも立派な「音ゲー自由研究」!(なはず…)
それでは、最後までお付き合いください。
まずは、今回紹介するゲームを発表しましょう。この企画は三田さんが遊んだことがあった瞬間に破綻するので、ドキドキしています。
私が今回紹介するゲームは、「Re:ステージ! プリズムステップ」です!(以下、「リステップ」と呼称します。)
ポニーキャニオンのメディアミックス作品「Re:ステージ!」のスマホゲームで、マイナーですが、このスマホ音ゲー戦国時代で4年続いているリズムゲームです。
このゲーム、今までの音ゲーの常識を覆す革新的ゲームシステムを採用していて、多機種勢音ゲーマーの皆様には一度は遊んでいただきたい作品なのですが、音ゲー界隈における知名度がとてつもなく低いのです。私もオンゲキコラボまでは名前を聞いたこともありませんでした。最近復帰してみると、めちゃくちゃ面白かったので、この機会に布教記事を書いてみようという訳です。
「Re:ステージ!」のコンテンツのいいところは音ゲーだけではありません。
- ログインしなかったボーナスが貰える「絶対にログインしてはいけないプリズムステップ」などの奇抜すぎる企画の数々
- ユーザーとの距離が近く、クレイジーかつ丁寧な運営
- 最近のストーリー面白い。
- レベルの高い合格点を超える楽曲をオールウェイズ出してくれる。
- アニメが名作。など
しかし、今回のテーマは「音ゲー自由研究」。純粋に音ゲー部分の面白さを詳しく語っていきます。(でも、曲は聞いてくれ。各種サブスクにあるから…)
思考型リズムアクション
この「リステップ」の正式なジャンル名は「思考型リズムアクション」です。何言ってるかわからないと思うので、詳しく説明します。「音ゲー」と「パズルゲーム」を組み合わせたゲームです。何言ってるかわからない。
まず、リステップには大まかに2種類のノーツがあります。"TAP!と書いてあるタップノーツ"と、"文字が無い、叩く必要のないノーツ"です。
叩く必要のないノーツに何の意味があるのか?それは、これから説明する「パズルゲーム」の部分に関係します。
リステップの判定円にはそれぞれ色が付いていて、なんと、上から降ってきたノーツの色と判定円の色が一致している時しか判定されないのです。タップノーツも叩く必要のないノーツも全て、判定枠と色が一致していない場合は反応しません。
そこで、判定円をスライドして、他の判定円と入れ替える事によって(パズドラのような挙動です)、ノーツと判定円の色を合わせながら音ゲーをする。
これが、リステップ特有のゲームシステムです。
(色が重要なゲームなので、色覚調整機能もあります。見えにくいと感じた場合は試してみてください。)
これだけの説明では「それの何が面白いの?」と言いたくなると思います。事実、「音ゲー+〇〇ゲー」を謳ったゲームは音ゲーのリズムに乗る楽しさを消してしまうことが多いです。しかし、リステップは音ゲーとしての楽しさを損なうことなく、独特の面白さを生み出しています。
では、このような奇天烈システムを持つリステップの譜面が面白い理由を考えてみましょう。
理由①配置の多様さと気持ちよさ
「ノーツの入れ替え」と「叩く必要のないノーツ」という要素があることで、譜面配置に無限の可能性があります。そのため、譜面ごとに特有の配置があって楽しいです。私としては各譜面について「この配置が天才!」みたいに語りたかったのですが、伝わりにくい話を延々とする訳にはいかないので、ここでは基本的な配置の例を画像と共に挙げさせていただきます。
(矢印は「判定円を動かす手順」がわかりやすいように私が書き加えたものです。)
他にも色々ありますが…ここでは、「叩く必要のないノーツ」のおかげで、譜面の幅が広がっていることが伝わっていたら嬉しいです。
これらの配置に加え、それぞれの譜面に個性的な配置があって、譜面に愛着が湧きます。是非、実際にプレイしてお気に入りの譜面を見つけてください。
そして、奇抜すぎるゲームシステムにも関わらず、音ゲーとしての気持ちよさがしっかりと考慮された譜面になっているのが、私がリステップの譜面を愛する理由です。ドラムを気持ちよく叩ける配置、歌詞合わせの配置、パズル重視の脳トレ配置、大振りでノーツを気持ちよく動かす配置などのメリハリがはっきりしています。
さらに、リステップの譜面の多様性の面白い点は楽曲を歌うアイドルグループごとに譜面傾向が異なる点です。パズル要素多めの「トロワアンジュ」、物量譜面の「テトラルキア」など各グループの楽曲の方向性に合わせた譜面が楽しめます。
理由②「初見殺し」のバランス
リステップは判定円の動かし方を考える必要がある性質上、初見殺しの要素が強いです。一般に音ゲーにおいて、初見殺しというものは多すぎると嫌われます。リステップのパズル要素は一見すると完全な初見殺しに見えるので、嫌厭される方も多いでしょう。
しかし、実際にはある程度の法則性が存在します。例えば、「基本的に最後にタップしたノーツを動かせばいい」という法則があるので、下の画像のような配置も慣れれば初見で処理することが可能になります。(見える…譜面が見えるぞ…!)
時折、本当に初見では対応できない配置もありますが、楽曲の尺も短めなので、繰り返し挑戦しやすいです。(動かし方の正解はひとつじゃない!頭を使って乗り越えよう!)
そして、この「リステップ独特のコツ」と「程よい初見殺し」があることで、「ノーツを増やす」「押しにくい配置を入れる」などのプレイヤーに高い音ゲーの自力を要求する手段以外での難易度調整が可能になります。そのため、ゲームの難しさの割には、音ゲーとしての技術を求めるような譜面は他の音ゲーに比べて少なめです。つまり、音ゲーがあまり得意では無い人でも、しっかりと譜面研究をすればクリアできる可能性があるのです。
長期間の練習が必要な他の音ゲーに比べて、譜面研究によって少しずつ前に進んでいる実感が味わえること、それがリステップの醍醐味です。(もちろん、ガッツリ自力を要求する譜面も多いですが… あくまで「他の音ゲーと比べて」です。)
ちなみに、初期の譜面は「音ゲー初期譜面あるある」の手探り感があり、後で調整が入ったEASY~HARDはともかく、EXPERTは理不尽な初見殺しが多めです。EXPERTはある程度楽曲を開放してから遊び始めることを推奨します。
理由③「死にゲー」の緊張感
リステップのゲームデザインは「死にゲー」です。パズルの入れ替えをミスすると、うまく正しい配置に戻すことができない限り、ミスを出し続けて、あっという間にライフが無くなります。なので、何度もリトライして攻略することが前提となっています。
事実、「死んだほうが、どこでミスをしたかわかりやすい」(=完走を目指しやすい)という運営の親切(?)によって、高難易度ほどライフの減少率が大きくなります。
そのため、譜面を完走するだけでも達成感があります。また、他のソシャゲ音ゲーであまり存在感のない「ライフ」の要素がしっかりと緊張感を与えてくれます。一つのミスが死に繋がる状況で自分の咄嗟の判断を信じて、初見殺しパズルを切り抜ける楽しさはこのゲームでしか味わえません。なお、「死なないモード」も搭載されているので、気楽に遊びたい方にも優しいです。
ここまで、私の考える「リステップのゲームシステムが面白い理由」を紹介しました。独自の譜面構成がよく考えられていて、今まで他の音ゲーを遊んできた人ほど驚きがあるゲームだと思います。(ソシャゲでこんなスルメゲー作るなんて、この運営イカれてやがる…!)
次は音ゲーに重要なもう一つの要素「判定」の話です。
甘くて激辛な判定
判定についても説明しましょう。音ゲーの大事な要素です。リステップの判定は、一言で言うと「甘くて激辛」です。
リステップの判定はPERFECT, GREAT, NICE,BAD, MISSとあり、PERFECTの判定幅は±100ms程度あるので取りやすいです。では、激辛とはどういうことでしょうか?
実はPERFECTの上に"ピカピカのPERFECT"が存在します。そちらの判定幅は、わずか±25ms。Arcaeaの無印pureと同じです。もちろん、スコアに絡んでくるので積極的に狙いたいものです。(私には狙って出せるものではないですが…)
この、チュウニズムやArcaeaでも採用されている、オールパーフェクト≠理論値の判定システムは個人的に好きなのですが、どうでしょうか?一般プレイヤーは広いPERFECTで正しく叩けている満足感を得られて、ガチ勢は狭いピカピカのPERFECTで理論値を目指して楽しめる仕様だと思います。(ソシャゲなので「判定の理論値」ですが)
さて、一通り音ゲー部分のゲームシステムについて解説したので、音ゲーガチ勢の求める"あれ"の話をしましょう。
充実の超高難度譜面
音ゲーのメインコンテンツは多くの人が楽しめる、程よい難易度の譜面です。対して、超高難度譜面は上級者がやり込む為にあるエンドコンテンツです。そして、超高難度譜面には実況動画やSNSを通して、実際に遊ぶことのない層にも広がり、その強烈な絵面や個性でゲームの顔となる側面もあります。例えば、バンドリの六兆年、プロセカの消失などは認知度が高いです。
そのため、これらの譜面には難しさだけではなく、上級者がやり込みたくなるような楽しさと、「この譜面はヤバい」ということが初心者や遊んだことがない人にも伝わる派手さが必要になります。
では、リステップの超高難度譜面はどうでしょうか?
リステップにはフルコンボすると「"だいたい"全クリ」の称号が貰える譜面が5つあり、これらが実質ボス曲と言えるでしょう。(難易度27~29)
では、それらの譜面について説明します。
難しければ難しいほどいいというものではありませんが、「難しさ」はボス曲がボス曲たる所以です。そして、リステップのボス曲は文句なしの難しさです。まず、16分連打•乱打、複雑な混フレの処理、正確なタップ•スライドなどの純粋な音ゲーの自力が要求されます。
まあ、これだけでは他のゲームからやって来たプレイヤーは、すぐに攻略してしまうでしょう。しかし、それに加えて移動距離の大きいパズルや初見殺しが降ってきます。ノーツ数が多い上、高難易度ほどダメージが大きくなる仕様なので、一度入れ替えミスをすると、復帰する間も無く一瞬で死にます。初見プレイでは、完走できない難易度です。
そして、リステップには叩く必要のないノーツがあるので、実際の忙しさ以上の圧倒的密度でノーツが降り注ぎます。複雑で美しいノーツ配置は、プレイヤーにもプレイ動画の視聴者にも強烈な印象を与えます。
ですが、リステップの高難易度は決して無理ゲーではありません。(必要な音ゲーの自力を持っている前提での話ですが、)ミスした所を見直し、譜面を研究することで、少しずつ完走に近付くことができます。譜面研究の努力が確実に活かされ、少しずつ前に進める楽しさがあります。
「とてつもないもの」を捌けるようになる達成感を(譜面の見た目の割には)手軽に味わえるのがリステップの高難易度譜面の素晴らしい点だと思います。(これ、いくつか完走すらできない譜面がある私が言えたセリフではないですね。結論:難しい。)
あとは、私が「音ゲー的に面白い」と思う機能をいくつか紹介して、終わりにしたいと思います。
「ハイスコアチャレンジ」
【リステップからのお知らせ】
— Re:ステージ!公式 (@rst_project) 2021年11月12日
1/1000秒をあらそう精密採点イベント
『第101回ハイスコアチャレンジ』開催‼
▼ハイスコアチャレンジのコツ
1⃣いい感じに編成する
2⃣通常ライブでいい感じに練習
3⃣1/1000秒の精密さでいい感じに叩く#リステ #リステップ pic.twitter.com/XxQc25M38I
全員平等に同じカードを与えられ、音ゲー力、編成順などの戦略もろもろ全部で争うイベントです。このイベントでは難易度ごとのスコア差が少なくなるように補正が掛かるので、音ゲー初心者でも戦略次第では上位を狙えます。
だからといって、簡単に上位が狙えるほど現実は甘くありません。
上位を目指すには大前提として、限られたイベント参加券(ジュエルで追加購入可)の中で、いずれかの難易度でフルコンする必要があります。
その上で、
- スキルを吟味したり、各レーンのノーツ数を数えたりして編成順を工夫してみる。
- 精度点を狙ってみる。(タップノーツのズレの平均が±16.6ms以内で最高点。)
- 常駐前で、練習機会が少ないEXPERTのフルコンを狙ってみる。
- 採譜して、最高効率でスキルが発動する無茶振り運指を考えてみる。
- わざとGREATを出してスキルゲージ調整を掛ける。
- もしかしたら運指次第で低難易度の方がスコア出るんじゃないかと研究してみる。
- スキル効果の上振れを神頼み
なんてことをしているのが、ハイチャレガチ勢だそうです。
私は前回のイベントでは、研究はせずにHARDフルコンと精度点とスキル運で169位だったので、いつか金賞(150位以内)を狙ってみたいです。(でも研究とかやりたくない…)
「音ゲー力」「研究力」「多少の運」が試されるゴリライベントがハイスコアチャレンジです。音ゲーに競技性を求める方は楽しいと思います。(ソシャゲらしい課金で殴るイベントは別にあるので、音ゲー苦手な方はそちらで争いましょう。)
「譜面メーカー」
BeatTubeが無くなってしまった今、「創作譜面作って、遊びたいなぁ…」とお思いの方もいるのではないでしょうか。
リステップなら作れます!
楽曲に合わせてタップするとノーツが置かれる直感的な方法だけの簡易なものではなく、ちゃんとノーツを1つずつ手作業で配置して作ることもできます。そして、好きな箇所からテストプレイが出来たり、テンポに合わせて自動スナップする機能が使えたりと、譜面制作に必要な機能が十分にあります。投稿数の制限や、公開前に自分でフルコンボする必要があるなど、幾らかの制限はありますが、本格的な譜面制作が楽しめます。(譜面IDを使って共有もできます!)
もちろん、譜面メーカーで作られた他の人の譜面を遊ぶこともできます。4点押し譜面、弾幕ゲー、タップのみの譜面、パズルを追究した譜面、ゴリラ用譜面、正統派のハイクオリティーな譜面などバラエティ豊かな譜面が遊べます。譜面を作らない人にも嬉しい機能です。
マルチプレイ対戦「プリズムダービー」
最後に少しだけ、現在開発中のマルチプレイ対戦機能「プリズムダービー」も紹介します。なんと、マルチプレイの為に新しい音ゲーをもう一つ開発する気合の入りようです。
シンプルな2レーン音ゲーの上で3Dのキャラクターが競争するゲームです。本編のカード編成は関係ないので、カード性能差でほとんどの勝敗が決まる他のソシャゲ音ゲーとは違った味わいがあります。
道中のアイテムでのバフ•妨害要素もあって、運と実力のバランスが取れたパーティーゲームのようなものを目指していると思われます。しかし、現時点ではフルコン至上主義になってしまっているので、今後の調整に期待したいところです。
そして、プライベートルーム機能もあるので、友達や配信の視聴者とワイワイ遊ぶこともできます。(「どうせお前は遊ぶ友達いないだろ」だって?いやいや、私だってCPUを3人召喚して白熱のオフラインバトルを楽しんでますよ。)
まだ問題点は多いですが、開催されるたびに進化しているので、今後の展開が楽しみです。
さいごに
ここまで、「Re:ステージ! プリズムステップ」について語ってきました。もちろん、ソシャゲなので他の要素もたくさんありますが、今回は音ゲー部分に絞って紹介してみました。このゲームは独特の要素がとても多く、今まで色々な音ゲーを遊んできた方でも新鮮な気持ちで楽しめると思います。(そして、ボコボコにされると思います。)是非、この個性的な譜面たちを遊んでみてください。
そして今回、このゲームを面白く感じる要因を分析して文章化することは、私にとっても発見があって楽しかったです。三田皓介さん、とても良い機会を作ってくださいましてありがとうございました。(変態的音ゲー力が求められない企画だったので、私でも応募できました。)
それでは、まだ遊んでいない方は、公式サイトのリンクを下に貼っておきますので、今すぐダウンロードしましょう!ありがとうございました。
※ハイスコアチャレンジ開催中と、フルコンボチャレンジ開催中の楽曲のプレイ動画の公開は固く禁止されています。ご注意ください。(EXPERT通常開放前の楽曲の動画投稿は避けましょう。)
【追記】
選考落ちたけど、抽選賞当たりました!反応に困る!ありがとうございます!
三田さん、感想コメントもありがとうございました。
この記事を書いて、音ゲーの面白さを文章化することの難しさがわかりました。企画力も文章力も磨いていきたいですね。後半に色や太文字を使いすぎて読みにくくなっていたことは特に反省しています。あと、この後ハイチャレは金賞取れました。
ここまで長々と書いて言いたいことは『譜面がおもしろい』に尽きるので遊んでいただけると嬉しいです。脳が溶けるぞ!
↓ボッチ音ゲーマーしてるので、気軽に話しかけてください。